- 1ヶ月後に店が潰れるかもしれない
2009年3月18日
かまどか相模大野店の店舗責任者である平山は衝撃的な知らせを、上司から聞かされた。
それでも「潰れる "かも" しれない」 その曖昧な言葉に、わずかな期待をしていたが…翌日、それは決定事項となって通達される。
決定を聞いたときはまさに無気力状態になった。店を潰したくない…が、店の売上、利益が出ていないので反論することすらできない。
パートナーも同じ気持ちだった。閉店の旨を伝えると 店長のいつもの冗談だろうと 最初は全員が本気にしていなかった。しかし、事実だということが分かると、落ち込むパートナー、泣き出すパートナー…
その後、数日の営業はひどいものだった。当然のことだが、潰れると決まった店で働いてモチベーションが上がるはずがない。
そして、平山自身も複雑な思いを抱えながらも どうすることもできない自分自身にいらだちを覚えていた。かまどか相模大野
- そしてある日、勤務終了後
今まで自分を育ててくれた赤坂ブロックマネージャーと、今回の件の話をしていた。
納得できていない感じの平山の話し方に、赤坂は言った。
「結局、お前はどうしたいんだ?
もし、お前がまだやりたい気持ちがあるなら、俺が力になってやる。
…でも、ただやりたいだけじゃダメだ。
当然、会社の決定に反対するんだから、必ず結果も出さなきゃいけない!
色々つらいことが山ほどあるけど、それでも大丈夫か?」
その一言で、平山の気持ちに決心がついた。
-お前はどうしたいんだ? - 時計をみると午前3時前。
だが、1日たりとも時間を無駄にしたくはなかった。迷惑、非常識を承知でパートナー全員を店舗に呼び出し緊急のミーティングを開いた。
この時いきなり呼び出されたパートナーたちは 「また、店に何かが起こったのか・・・?」 「店を閉める時期が更に早まったのか?」 などと思っていたと言う 。
しかし平山から出た最初の言葉は 「頑張れば店を続けられるかもしれない」 常識的に考えれば会社の決定事項が覆ることなど可能性としては限りなくゼロに近いことである。
それでもわずかな可能性がある限り、自分の本当の気持ち店を存続させたいという気持ちが午前3時、集まったパートナーを前にして出た言葉だった。もちろん自分だけそういった気持ちであってもパートナーの気持ちが本気でなければ、奇跡を起こすことはできない。
平山は全員に確認をした。
これから店を続けていくにあたって、辛くなることが多くなると思うけど 何かを犠牲にしてでも続けていきたいか?今までパートナー同士で楽しんできた営業とは違った雰囲気になるけどそれでも続けていきたいか?
反対するものは誰もいなかった。 むしろ、自分たちの時給を下げてでもいいからその分を利益に加算させたい。とまで言って来たパートナーもいた。 かまどか 相模大野店が初めてひとつになった瞬間かもしれない。 全員が1つの目標に向かって…ここから かまどか 相模大野店の挑戦が始まった。
-
できることは何でもした。
かまどか 相模大野店のスタッフはもちろんOB・OGの先輩にも協力してもらい、店存続のための署名を集め、それぞれが抱く店に対する想いや、売上をあげていく為の具体策を明記して、三田社長に提出した。
そして4月1日社長からパートナー、一人ひとりへの手紙が返ってきた…。嘆願書
皆さんのお店への想いが伝わってきてとても胸が熱くなりました。閉店の最終結論を2ヶ月のばしてみようと思います。
かまどか
わずかな可能性が見えてきた! もう運命の2ヶ月は既に始まっている! 1秒たりとも時間を無駄にしたくは無かった。 何をすればお客様が 来店してくれるのだろうか? スタッフ全員でいろいろと考えた結果、
彼らが出した答えは… - 人の力での集客
つまり「キャッチ(外販)」の強化であった。 もちろん、今までもキャッチはやっていた。 しかし、それはただのビラ配りに過ぎなかった。 時には一緒にいるパートナーとしゃべっていたり携帯電話をいじっていたり…
しかし、売上を意識したパートナーの本気のキャッチは信じられないほどの効果をもたらすことになる。 まず平山はキャッチに対して目標設定を行った。目標である、月に200万円の数字を上げるためには1日6万円以上の積みが必要である。 だいたい1日で7組のお客様を連れてこられればその目標に達する。 キャッチの時間はおよそ7時間。 1時間に1組連れて来れればいいのだ。 「1時間に1組」 明確な目標があるとパートナーも更にやる気が出る。 歩いている人、全員に渡そうという意識で必死になって大きな声でビラを配るようになり、徐々にお客様が集まるようになる。
そして営業成績は連日の予算達成で、まさに右肩上がりで売上が上がっていった。キャッチをする平山
- しかし、予算に届かない日もあった
そんな日が一日でもあると、パートナーの中にはダメなのかなと不安になるものもいた。
だが、そんな時こそ平山は声を大にして言った。
「俺たちは絶対に達成する! 俺には自信がある!」
強いリーダーシップで、店をひとつにまとめ上げパートナーの不安を払いのけ、
みんなが働きやすい環境を作っていった。
そして自らもホールに出てしっかりとお客様の声を聞くことを心がけ、
今の店舗に何が必要なのかを考えた。
5月20日 営業中、平山のもとに一本の電話が入った。
三田社長からだった。 おそらく、店の存続のことだろうと思い
営業成績には自信はあったものの、さすがに緊張した。
そして、社長から出た答え… - しかしそこに歓喜の涙はなく
パートナーは喜びを爆発させた。しかしそこに歓喜の涙はなく、その表情は皆、自信に満ち溢れているものだった。 いつの間にこんなに頼もしくなったのだろう。
「とりあえずほっとしたというのが一番の気持ちです。 でもここが終わりじゃなくて出発点。 4、5月と胸を張れる売上を出したので これから先もこの数字を下げることなくやっていくことをみんなで再確認しました」
彼らの背中を押した赤坂も言う。平山
赤坂
まさに有言実行カッコイイですね! でもあの時の平山の流した涙を見てこいつはやるなと思っていたし、彼らが起こす奇跡を見てみたかったんです。自分の部下がわずかな可能性にかけてでも、頑張るって言うんだから上司である自分はその成功を信じて、最後までサポートするのが当たり前だと思うんです。本当に諦めることなく、よく頑張ったと思います。今回の件で平山自身大きく成長したと思いますし、これが事業部全体、さらにはグループ全体に何か影響をもたらしてくれればいいなと思います
- 平山は言う…
「今回の件で、色々な方に感謝をしなければいけないと思いますが でもまずはこの2ヶ月、一生懸命頑張ってくれたパートナーに感謝したいです。 急に営業スタイルが変わって、一人ひとりの負担が大きくなりさらには休みを削ってまで、みんな頑張ってくれたました。みんなのおかげで、店が続けられていると思います。 本当にありがとうって言いたいですね」 それから2年が経ち、現在も平山店長の下、かまどか相模大野店は更なる成長を遂げ、
その躍進は止まることがない。
閉店寸前の赤字店から連日大盛況の店へ・・・ 店を改装したわけでも、メニューを変更したわけでもない。 変わったのは人の気持ちだけである。 平山、パートナー、かまどか相模大野店の全員の気持ちが変わり、一つの目標に向かって全員が躍進した。その強い力が1%の可能性に全てをかけた奇跡の大逆転劇を生み出したのである。そしてこの力が更に強くなった現在。 奇跡の店はホンモノの店へと変わっていく。平山店長